リョーちん………………………
自分用メモ:リョーちんのお兄ちゃんの名前は宮城ソータ。名前はリョーちんと同じでカタカナ(額縁の賞状から)。三歳差。リョーちんには妹がいる。妹はちょっとリアルに出てくる山下夏美の妹の塔子ちゃんっぽい。リョーちんはバイクで事故ったことがある。沖縄生まれ。
「リアル」最新刊までうちにあるんですけど、まさにリアルを読んでいるような、イノタケの漫画がそのまま映像になったような印象を受けました。隅々までイノタケの魂を感じた。すごく良かった。もう一回見たい。
海のシーンが多かったので、イノタケの心の中にはやはり海に対する感情があるんだろうな。
ピアスという短編にリョーちんと彩子さんの子供の頃の描写っぽいのがあって、そこにも海が描かれていて秘密基地のような岩があったと思うので、スラムダンクの根底にあったものが繋がって、新しいスラムダンクになったように感じた。
イノタケって、母親をよく見ているなとよく思う。葛藤、願い、後悔、祈り、どれも理想像ではなく一人の女として母親を描いていて、私はそれを見ると母という存在に対する憐れみを感じる。イノタケ自身が母子家庭でお母さんを支えてきたからかな。ソータ兄ちゃんの遺物を片付ける時、リョーちんの母親が急にスイッチが入ったように怒り出すシーンも、言葉はなくても感情が伝わって、胸が痛かった。イノタケはよく無音の世界を描く。無音こそイノタケの独壇場とでも言えるくらい、絵で感情を表現するのが上手い。
山王戦の終盤と同じように、映画でも最後は無音で、特に「左手は添えるだけ」が口の動きだけで表現されていたのが、流川にだけ聞こえたセリフなのかもしれないと思って、想像の余地があって良かった。流川、かっこよかった。漫画のキャラの顔を見る時、感情を探ろうとしてじっと顔を見つめる癖があるんですが、その時にどこまでも入り込める深さのある顔だと、作者に身を任せられる気持ちになって好きなんです。絵と対話している瞬間が漫画だと確かにあるけど、映画でも、顔の表情、落ち着いた色使い、黒の綺麗さから、どんどん引き込まれるような、長時間眺めるのに耐えうる魅力が感じられて、良かったです。
一之倉が好きなのでしゃべった時エヘヘヘってなった。一重がかわいいよー。ちゃんと男子高校生の低い声だった…。デヘヘ…。あと深津の顔がマジで深津だと思った。オープニングの手書きの映像も良かったなあ。
漫画とこんなに切り離れてない印象の映画は初めてです。よくアニメとかで「作者監修」っていうのあるけど、あれで納得いくアニメを見たことないんすよ。思うに、作者の手から離れた作品は、作者の腕の庇護から外れて安心感がなくなるんだと思う。読者としては、そういう「感性のズレ」に敏感に気づく。イノタケは、自分の作品をなるべく自分の手から離さないようにしているところが、作品思いであり読者思いだと思う。
初めて映画に触れた後の今がおそらく一番多感で幸せな時だと思うのでまだ余韻に浸ってます。これからもっと「あれ良かったな…」とか思い出すと思うし、まだ言葉になってなかった感想がたくさん出てくると思いますが、そういった感情を胸の内で大事にしたい。
DVD出たら買って手元に置いておきたいな。