河童より先に天狗から読んでしまい順番が逆になったんですが、良かった!
天狗より胸糞悪くなく綺麗に終わったなという感じ。4分の3読んでまだ序章!?てなるのが京極作品らしい。そして相変わらずゾッとさせるのが上手すぎる。でも魍魎の匣時代のゾッととは違い、今回は人間の悲しみのある意味で綺麗な悪寒だった。京極堂と榎木津は出てこなくて美由紀と敦っちゃんと多々良が主役でしたが、ストーリーに沿って動いてくれるメンバーなのが話に合ってて良かったと思う。
「調べますよ。仕事ですから。僕ァ依頼されれば何でもしますからね、法律に触れない範囲でですが。その上に、敦子さんのご依頼とあらば通常の三倍は働きますよ。何たって下僕体質が身に染みてますから、もう身を粉にして──」
今昔百鬼拾遺「河童」p260 益田龍一
笑った。下僕。ご本人出てこなくても噂で榎木津の存在を感じられるの良い。百器徒然袋とかで京極が益田に「君のご主人様は~」とか言ってるのも好きだった。
「慥かに、人は中中変わらないもんですけど──結構、自分はこうなんだ。こうすべきなんだと思い込んでるだけ、ってこともありますよ。本性は違ってるってこともありますから。私の友達に──友達じゃなかったのかな。知っている人に、自分は悪魔の申し子だと信じ込んでいた子がいたんですよ。それで、色色酷いことをした。そして──殺されてしまったんですね。でも今思うと、あの子はとっても良い子だったように思うんです。自分は悪魔だと思い込まなくちゃやってられない現実があって、だからそうだ、そうなんだと、無理して思い込んでたんです。境遇が少しでも違っていれば、きっと仲良くなれてたと思う」
今昔百鬼拾遺「河童」p358 呉美由紀
み、碧ーーーーー!!!私は織作碧の大ファンだからこうして今も美由紀が碧のこと思い出してくれて友達だと思っているの本当に嬉しい。絡新婦読み返したくなった。そういえば絡新婦の時はみんな中学生だったんだなとしみじみ。美由紀の新しい友達もでてきて会話が可愛くて良い。お嬢様キャラが好きなのかもしれない。絡新婦の最後では美由紀が彼岸をさまよう形になったけど、おじいちゃんのおかげで此岸に繋ぎ留められていたことが分かり、さらに今作の最後では笑って学生生活を楽しむまでになっていて成長を感じた。美由紀…幸せになってくれ…
今昔百鬼拾遺「鬼」だけまだ読んでないので書店で見かけたら買いたいなー。